長津一史共編著・鈴木佑記ほか著『小さな民のグローバル学-共生の思想と実践をもとめて』が出版されました
2016.1.30
出版情報
SUP上智大学出版
『小さな民のグローバル学-共生の思想と実践をもとめて』
甲斐田万智子・佐竹眞明・長津一史・幡谷則子(共編著)
A5・400頁
ISBN:9784324099445
発行年月:2016/1
本体:2,500円(税込2,750円)
「小さな民」とは––東南アジア地域研究を専門とした社会経済学者、村井吉敬氏が提唱した概念で、権力やお金がなくても、伝統的な自分たちの生活やそれをとりまく自然に誇りをもって生きる人々をさす。本書の中では、インドネシア・バリ島の観光施設で働く人々、ジャワ島で生薬飲料(ジャムー)を売る行商、中国から他国に移住する朝鮮族の家族、タイ南西部で国籍を持たずに海上で移動生活を営むモーケン人、等々を取り上げる。かれらは、強大な権力と市場(資本主義経済)によって生活圏を歪められ、権力側からの差別を受けながらも、現実に立ち向かい、日々の生活をたくましく生きている。そのような生活や市民運動から、人々のつながり、生き方、モノの流れ、世界のあり方を考察する。「小さな民のグローバルなつながり」から、“多文化共生の時代”を生きるヒントを示唆する論考集。「フェアトレード」や「少女に対する暴力(女性割礼等の伝統的慣習)」、「人間の安全保障」など、社会的問題も取り上げる。
書影等の無断転載はご遠慮ください