海域アジア・オセアニア研究
Maritime Asian and Pacific Studies
東洋大学拠点

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拠点メンバー

拠点メンバー(五十音順)

拠点代表者

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長津一史(東洋大学社会学部・教授)

専門は東南アジア研究、文化人類学、比較海民論。京都大学で学位取得(地域研究)。主な著書に『国境を生きるーマレーシア・サバ州、海サマの動態的民族誌』木犀社(2019)、『海民の移動誌―西太平洋の海域文化史』昭和堂、共編著(2018)、『小さな民のグローバル学―共生の思想と実践をもとめて』上智大学出版会、共編著(2016)、『開発の社会史―東南アジアにおけるジェンダー・マイノリティ・境域の動態』風響社、共編著(2010)がある。

東南アジア海域世界における海民の社会文化動態に関する研究を行ってきた。海民のうち特に焦点をおいてきたのはサマ・バジャウ人である。サマ・バジャウ人の人口は約100万人。集落の分布はインドネシア、マレーシア、フィリピンに跨がる。したがって調査地もこれら三カ国に及ぶ。これまで50を越すサマ・バジャウ集落を訪問した。近年は、東南アジアの海民のあいだにみられる在地の共生、そのメカニズムと論理を探ることに研究の焦点をおいている。他に、マグロをめぐる日本とアジアの民衆関係史についての研究もおこなっている。このテーマでは、2014年から現在まで宮城県気仙沼市でフィールドワークを継続している。

拠点研究員

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田所聖志(東洋大学社会学部・教授)

専門はオセアニア地域研究、文化人類学。東京都立大学で学位取得(社会人類学)。主な著書に『秩序の構造―ニューギニア山地民における人間関係の社会人類学』東京大学出版会(2014)。

地域社会内部の人口の流動化と外部から入り込むグローバルな価値観や国家政策の影響によって、地域社会が変容する過程を明らかにすることに関心がある。これまで、主にニューギニア高地で現地調査を行った。その調査をもとに、急激な近代化によって、これまでの親族関係と儀礼の実践がどのような影響を受けて変化し、その結果として、共同体の意味と機能が現在いかなるものになっているのかを研究した。

現在、(1)森林伐採や鉱物資源といった天然資源の開発が地域社会に与えるインパクトを検証する社会人類学的研究、(2)村落保健サービスと伝統医療の関わりかたに焦点をあてた医療人類学的研究を進めている。

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中野真備(人間文化研究機構創発センター研究員・東洋大学アジア文化研究所特別研究助手)

専門は東南アジア地域研究、生態人類学、海洋民族学。博士(地域研究、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)。主な業績に「インドネシア・バンガイ諸島のサマ人の外洋漁撈と空間認識 」(『アジア・アフリカ地域研究』19(2)184-206、2020年)、「インドネシア・バンガイ諸島サマ人の環境認識:外洋漁撈をめぐる魚類・漁場・目標物の民俗分類」(『東南アジア研究』58(2)164-203、2021年)、「佐渡のイカ釣り漁撈における天文民俗」(『國學院雑誌』122(7)23-41、2021年)、A Study of Classifications of the Seasons by Sama-Bajau Fishermen: From Four Cases in the Banggai Islands, Indonesia(Research Papers of the Anthropological Institute, 11, 46-61)等がある。

インドネシア東部島嶼部地域で、サマ/バジャウ人の漁撈における時空間認識や民俗分類、漁撈知(技術)について、生態人類学的、海洋民族学的、認識人類学的研究を実施。特に浅海〜外洋漁撈にみる空間認識や、魚類・漁場・目標物の民俗分類からみる環境認識について論じてきた。主な調査地域であるインドネシア・バンガイ諸島が地震被災地であることから、自然災害(地震・津波)に対する海民的対応や移動性、景観史などの調査もおこなっている。

研究分担者

太田淳(慶應義塾大学)

島上宗子(愛媛大学)

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鈴木佑記(国士館大学政経学部・准教授)

専門は東南アジア地域研究、文化人類学。博士(地域研究、上智大学)。主な著書に、『現代の漂海民:津波後を生きる海民モーケンの民族誌』、『移動する人々:多様性から考える』晃洋書房、分担執筆(2019)、『海民の移動誌:西太平洋の海域文化史』昭和堂、分担執筆(2018)、『小さな民のグローバル学:共生の思想と実践をもとめて』上智大学出版会、分担執筆(2016)がある。

タイ南部のアンダマン海域に浮かぶ島々と沿岸で、フィールドワークを実施してきた。この地域には、モーケン、モクレン、ウラク・ラウォイッという三つの異なる言語集団が暮らしており、主にモーケンを対象に研究を行っている。これまで、モーケンの漁撈のあり方(主に潜水漁の変化)について調べてきた。近年は、コロナ・パンデミック後のモーケンの観光業への従事のあり方、また上記三集団による先住民運動について調査を続けている。

竹川大介(北九州市立大学)

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津田浩司(東京大学大学院総合文化研究科・教授)

専門は文化人類学、東南アジア地域研究、華僑華人研究。東京大学で学位取得(学術)。主な著書に『日本軍政下ジャワの華僑社会―『共栄報』にみる統制と動員』風響社(2023)、『「国家英雄」が映すインドネシア』木犀社、共編著(2017)、『「華人」という描線―行為実践の場からの人類学的アプローチ』風響社、共編著(2016)、『「華人性」の民族誌―体制転換期インドネシアの地方都市のフィールドから』世界思想社(2011)がある。

東南アジア島嶼部、特にインドネシアの華人社会をフィールドに、民族誌的調査を行ってきた。初期の調査は、インドネシアが大きな体制転換を経る過程で、ジャワ島北海岸の地方小都市において、人々が日々の暮らしの中でいかに「華人性」というものを経験したり、意識したり、主張したりするのかを、ミクロに観察してきた。その後の関心は、インドネシアにおける「中華の宗教(Agama Tionghoa)」をめぐるダイナミズム、同国における華人にまつわる歴史記述をめぐる問題など多岐にわたる。最近は、日本軍政期の華僑の歴史経験を新聞資料を通して再構築する研究に取り組んでいる。

研究協力者

大津留香織(台湾應用科技大学)

小河久志(亜細亜大学)

河野佳春(弓削商船高専)

北原拓也(早稲田大学)

島袋綾野(石垣市役所)

下條尚志(神戸大学/人間文化研究機構・東ユーラシア研究神戸大学拠点構成員)

中村昇平(東洋大学)

西川慧(石巻専修大学)

畠山信(NPO法人「森は海の恋人」)